〜好学健癒〜雑記ブログ

医療系研究科 修士卒、累計読書冊数1500冊以上の私が、ブックレビュー、防災、ライフハック術、映画や観劇の感想などを綴るブログです。

ハリポタオタクが考える「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」についての感想

先日、二回目をみてきたので感想を。

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 魔法のアーカイブ (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 魔法のアーカイブ (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 映画オリジナル脚本版

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 映画オリジナル脚本版


面白かった!が、
「第1章、完!」「次に続く!」感が半端なかったです。

なんとなく、終わった!感がなくてもやっとします〜
これが次作を見させるための作戦なのか…。


それから、原作を詳しく読んでない人には、ちょっとわかりにくいかも?と思う部分もチラホラ。
簡単に解説したいと思います。


あと、第1作目は「ファンタスティックビースト」感がありましたが、

本作は生物がメインというよりも、グリンデルバルトとの戦争がメインになってきた感じですねえ。


ちなみに、本作の主人公、ニュート・スキャマンダーが著作の設定の、「幻とその動物の生息地」教科書も面白いので、ぜひ読んでみてくださいね。

幻の動物とその生息地 (ホグワーツ校指定教科書 (1))

幻の動物とその生息地 (ホグワーツ校指定教科書 (1))

ニュートの相棒になってる、ピケット、ボウトラックルは扱いを間違えると意外と危ない奴だということもわかりますし、(巣を覗き込んだ人間の目をくりぬこうとしてきます。)
ハリーやロン、たまにハーマイオニーの落書きもいっぱい載ってます笑

スネイプ先生が「河童」を授業で教える時に、間違えてた話とかも出てきて面白いです。

あとは、ほんの前書きの中で、ニュートとティナがその後、どうなったのか?なんてこともわかります(笑)

そういえば、この本、出版社名が「オブスキュラス」という名前の設定になってるんですが、これも何か伏線になってたりするのかしら?


ちなみに、映画は1927年の設定。

ハリー世代は1990年代の話なので、時系列としては約70年前の話になります。

今作ではダンブルドア先生も出てきますが、若いですねー。
マクゴナガル先生もちらっと出てきます。
というか、マクゴナガル先生は、ニュートが学生だった頃、時代的にまだホグワーツの教師じゃないはずなのですが、誰なんだろ…?

マクゴナガル先生は、父親はマグルで、母親は魔女です。
が、マクゴナガルの姓は、父親から来ているので、マクゴナガルの母親や祖母がホグワーツに勤めていたとしてもおかしいし。
まあ、そこまで原作の設定と整合性を合わせようとしてないだけかな。


そこら辺も細かいドラマがあって、

に詳しく載ってますので、
コアなファンでまだ読んでない方は、読むと面白いと思います。
マクゴナガル先生が以前にマグルと恋愛結婚をして離婚されたとか、
学生時代クィディッチの選手だったとか(だから原作でもあそこまで熱くなってたのか)とか、がわかります。

他にも裏話や、細かい設定が書かれたシリーズが3作になっていて、
アニメーガスになるための手順(めちゃくちゃ面倒くさいことがよく分かる)とか、リーマス・ルーピンやドローレス・アンブリッジについてもより詳しく載っていたりします。

値段も300円〜400円台で高くないので、ハリポタ好きなら買う価値はあると思いますが、そこまでボリュームのある内容ではないので、本当にコアなファン向きですね笑
あとは、kindle版しかないのがネックでしょうか。
紙で欲しいと思うファンも多そうです。



以下、映画の感想に入ります。
ネタバレありなので注意です!
























・グリンデルバルトの思想

グリンデルバルトの思想は、
「より良い善のために」
「マグルを支配下に置いて管理する」

ざっくり言うと、マグルは暴力的だし、戦争みたいな愚かなことをするから、魔法使いが台頭してマグルを管理していこう、という思想です。

まあ、ハリポタ好きな人なら、マグルも魔法使いも暴力性について大差ない、というのは分かるはずですが。


ちなみにこの映画シリーズ、1920年代で、第一次世界大戦の直後の出来事です。

一作目でニュートが、「第一次世界大戦にドラゴンに乗って加勢していた」
といった趣旨のことを言っていたはず(おぼろげ)、
そして、ジェイコブもたしか戦争から戻って、パン屋をやろうとしていたはずなので、
戦争の記憶は魔法界の人々の中にもまだ新しい。

そして、グリンデルバルトは第二次世界大戦の勃発を予言しています。

映画の予言の中で、ロンドンを始めとした、ヨーロッパの大空襲や、原爆のキノコ雲のイメージ映像が出てきます。

戦争を経験したばかりの人なら、やはり、このような戦争を避けるため、マグルを管理下に置かなくては、となってしまうのも分かる気がします。


もし、私も魔女で、ほとんどマグルと関わったこともなかったら…

そして、グリンデルバルトが罪のない人を大量に殺戮をしている人だと知らなかったら…

もし、私が情報リテラシーの低い人間だったら、
グリンデルバルトの思想に賛同してしまっていた
と思います。

そういえば、序盤、さすがに、緑色の光(=アバダケタブラ、死の呪文)を乱用しすぎでじゃないですか…。
びっくりしました。

ダンブルドアが、妹アリアナに対して抱いている思い

ハリーポッター の原作7巻では、ダンブルドアも、グリンデルバルトと兄弟以上の仲と、言ってました。

そのことについて、説明すると、

ダンブルドアの妹、アリアナが、幼い頃に、マグルの男子に暴行を受けたため、心を閉ざしてしまい、魔法が度々暴走する状態、(原作で明言はないが、たぶんクリーデンスと同じオブスキュラスと思われる)になっていました。

ダンブルドアは、アリアナに対して、同情や愛情もありましたが、
若くして有望だったダンブルドアは、アリアナの世話を一生続けないといけなくて、研究に精を出したり、世界中を飛び回ったりできない事に、苛立ちも感じていました。

そんな中、ダンブルドアは、マグルを管理する必要がある、というグリンデルバルトの思想に傾倒していきました。
ちなみに若い頃のグリンデルバルトは、イケメンだったようで、ハリーも認める6大ハンサムの1人です笑(シリウスブラック、トムリドル、ビルウィーズリー、セドリックディゴリー、(顔だけだけど)ギルデロイロックハート)

そして、アリアナは魔法(たぶんオブキュラス)が暴走して死んでしまいます。
その死をきっかけに、ダンブルドアは、グリンデルバルトと完全に別の道を行く事になります。


映画の中で、リタ・レストレンジが弟を亡くした話に、ダンブルドアは深く共感してリタを諭していましたが、
ダンブルドアはアリアナを十分に愛してあげられず、死なせてしまった、とずっと後悔し続けていたようです。
ハリーポッター 1巻で、ダンブルドアが「みぞの鏡」を覗いた時、
本当に見えていたのは、靴下ではなく、アリアナや家族と過ごす姿だった、とJKローリングさんがのちに語っています。

ワーナー・ブラザースのページ
https://warnerbros.co.jp/c/features/feature02.html.html

そういった自分が一生抱える罪の意識や後悔すらも、意識してやってるのか無意識なのかわかりませんが、
説得の材料としてしまうあたり、さすが策士のダンブルドア、と思いながら観てました。

ダンブルドアとグリンデルバルトの関係

また、原作では、リータ・スキータというゴシップ記者が、ダンブルドアのゲイ疑惑について書いていた程度、また映画でも、「兄弟以上」と言っていた程度でそこまで深く描写されませんが、
JKローリングさんは後に、インタビューで、ダンブルドアはゲイであると公言してます。

↓公式ファンサイト ポッターモアのページ
http://www.pottermania.jp/info/event/log2007/071022JKROutsDumbledoreIsGayCopiable.htm


原作で、ダンブルドアの功績の一つとして、「グリンデルバルトを破った」という描写があるので、
ダンブルドアサイドが勝つことは確定なのですが、
今作でダンブルドアがグリンデルバルトと戦える準備は整ったため、
ダンブルドアが過去の経験を超えて、 あと残り3作の中で、どんな経過を辿って行くのか、見所ですね。


というか、黒き魔法使い=グリンデルバルトと思われるのですが、

原題のとおり、グリンデルバルトの罪
じゃダメだったのかしら?

まあ、ほかに、グリンデルバルトサイドつくことを決めた魔法使いが複数いるので、彼らを総称して黒き魔法使い、と言いたかったのかも。

・ナギニの存在

また新しい伏線が出てきましたね。

本作で、ナギニと呼ばれている女の子(マレディクタス、呪いでいつか蛇になってしまい人間に戻れなくなる)が出てきます。

これ、ヴォルデモートが飼っていた蛇の名前と同じなんですよね…。

やはり同じナギニなのか?
グリさん側につこうとする人を止めようとすらしていたのに、最終的に闇の魔法使い側についた上に分霊箱にまでされてたのか…?

スネイプ先生の死因になったり、
ロンの父親に噛み付いて瀕死の重傷を負わせるなど、殺害の道具にされたり、
また、ヴォルデモートが生き延びるためにナギニの血をすすったり、
ヴォルデモートが殺した人間をナギニの餌にしたり、といったシーンもありました。

ダンブルドアも、ナギニとヴォルデモートと仲については、かなり言及しています。

「ヴォルデモートが好きになれる何かがあるとするならば、おそらくそれはナギニじゃと思う 」とか、「たしかにナギニをそばに置きたがっておるし、いくら蛇語使いじゃと言うても異常なほど、ナギニを強く操っているようじゃ」
とも言ってます。

ワーナー・ブラザースのページ
https://warnerbros.co.jp/c/features/post-9.html

蛇になると思考回路や物の考え方も変わってしまうのでしょうか…。
もしくは、蛇になったことで、通常の人間とはコミュニケーションが取れなくなってしまった孤独から、蛇の言葉が話せるヴォルデモートの側にいることを選んだのか。

ただ、ファンタビの彼女の様子を見ていると、自分からヴォルデモートに従ったとは考えにくいので、

ヴォルデモートに操られていたのでは、というのが正解な気がしますが、

彼女自身で選んだにしろ、操られていたにしろ、いずれにしても、悲しすぎます…。


まあ、ヴォルデモートで飼っていたナギニと、ファンタビのナギニが、違うナギニであることはあまり考えられないので、
たぶん同じナギニなんでしょうが、どうしてヴォルデモートに飼われてしまうことになったのか、映画で説明が欲しいですね。

ちなみに、ファンタスティックビースト一作目ニ作目は、1926年、1927年で、
ヴォルデモートこと、トムリドルが生まれた頃の話です。

そして、ダンブルドアとグリンデルバルトの決戦は1945年なので、
成長したトムリドルと、まだ人間の姿を保てていたナギニが出会うシーンもあるかもしれない、とファンの間では話題になっているようです。

以下はナギニ役の方へのインタビュー記事
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1812/06/news079.html

・ヌルメンガード城

原作の1990年代、グリさんはヌルメンガード城に幽閉されてました。
今回の映画の終盤では、ヌルメンガード城が砦として、出てきています。
どんな風になっていくのでしょうか。

以下、重大なネタバレ

・クリーデンスは本当にダンブルドア一族の人間なのか?

グリンデルバルトの嘘なのか、本当なのか。

ダンブルドア一族が窮地に陥った時、不死鳥が現れて、死んだら去っていく。
たしかに、ダンブルドアは不死鳥のフォークスを飼っていて、そして、ダンブルドアの葬儀シーンで飛び去っていってました。

そもそも、クリーデンスが世話していた小鳥は不死鳥で正解なのか?
グリンデルバルトが上手いこと魔法をかけて不死鳥っぽく見せてただけかも…?

ファンの間では、ダンブルドアの兄弟とすると、年齢的になかなか厳しいため、嘘説が有力なようです。

・なぜクイニーはグリンデルバルト側に寝返ったのか?

もちろん、愛するジェイコブと結ばれる未来を夢見ているからでしょう。
でも、それだけではない気もします。

生まれつき開心術を使えるクイニー。
スネイプ先生やヴォルデモート、ダンブルドアの使う開心術や閉心術とは違い、
彼女の開心術は、ときおりコントロール不能になり、たくさんの人の「心の声」を拾ってしまい、苦しんでいる様子が今回の映画では表現されていたように思います。

彼女を利用できれば、グリンデルバルトはかなり有利にことを運ぶことができますから、

クイニーとグリンデルバルトが2人で対峙した時、
グリンデルバルトがクイニーに魔法をかけたのかもしれません。

あるいは、ヴォルデモートのように、マグルやその他大勢の人間を殺すのを厭わない思考を、閉心術を使うことで隠したり、

そして、クイニーに対して開心術を使うことで、彼女が臨む未来を覗き込み、
クイニーが望む未来をグリンデルバルトが意図的に思い描くことで、グリンデルバルトが描く未来として、クイニーに思い込ませたのかもしれません。

まあ、そこまで綿密に開心術と閉心術をコントロールできるなら、クイニーを味方に引き入れる必要はあまりない気もしますが…。


と、ここまで気になる伏線について語ってみましたが、いかがでしょうか。
思っていたよりも熱く語れたのでびっくりしています。

2020年の次回作も楽しみですね!