イスラエル・パレスチナ問題を身近に感じてみよう、オススメの本、私たちにできること
こんばんは。染谷しおりです。
私は、イスラエル・パレスチナ問題について、子供の頃からボンヤリとしか知らず、もっとちゃんと知っておきたいな〜と言う気持ちはずっとありました。
ですが、ここ1年ぐらいで、「漫画:サトコとナダ」と、「フランクルの名著:夜と霧」を読み、ますますイスラム文化やユダヤ文化について、深く知りたい!と思うように。
- 作者:ヴィクトール・E・フランクル
- 発売日: 2002/11/06
- メディア: 単行本
さらに、「パレスチナ文学:ハイファに戻って/太陽の男たち」
- 作者:カナファーニー,ガッサーン
- 発売日: 2017/06/06
- メディア: 文庫
パレスチナのこと、イスラエルのことについて全然知らないんだな、ということを実感しました。
そこで、さらに知識を深めたくて色々な本を読んだので、
・ユダヤ人、アラブ人の方々について知るための本の紹介
・今の私たちにできること
を話せればと思います。
日本人のイスラムやユダヤについてのイメージ
・ぼんやりとしか知らない。なんか怖そうなイメージ。
・なんとなく知っていた方が良い気はしているんだけど、特に勉強しようとは思わない。
・実際は遠い世界の出来事だし、自分たちにの生活に何か影響があるわけじゃないから関係ない。
※あくまで過去の私の抱いていたイメージです。
が、似たような方も多いのではないでしょうか?
実際わたしも、
小学生の頃にアンネフランクの日記を読もうとして挫折し、漫画版アンネの伝記を読んだきり、
その後は、大学生くらいの頃に、池上彰さんのアンネの日記の紹介番組を見たくらいで、
中東について知ってることといえば、
・第二次世界大戦後にイスラエルが建国されたこと。
・そして、もともと住んでいた人々が国から追い出され難民になってしまった人が大勢いること。
・中東戦争が何回か起きたこと。
・周辺でテロが何度も起きたこと。
くらいでした。
しかも、あれ、ユダヤ教サイドがイスラエルだっけ?パレスチナだっけ?
と、いちいちネット等で確認しないと、イスラエルとパレスチナがどっちがどっちか分からなくなってしまうレベルの知識でした…。
特に理系だったこともあって、歴史をほとんど勉強しなかったので、浅い知識しかないんですよね。
現時点で、私よりももっとたくさん知ってるよ〜という人もいれば、
いや、全然知らないよという人もたくさんいると思います。
サトコとナダ
- 作者:ユペチカ
- メディア: セット買い
日本人の女の子サトコ、
サウジアラビア出身の女の子ナダが、アメリカに留学した先で、一緒にホームステイして、仲良くなる話です。
サトコもムスリム文化やアラブ圏の文化について全然知らないので、始めは戸惑いますが、
お互いの文化の違いを認識しあい、徐々に仲良くなっていきます。
等身大の女の子が描かれている作品で、まったくイメージのなかったムスリムの生活やイスラム文化の一端を知ることができたと思います。
これまで地理の授業で学んだことをぼんやりと覚えている程度
1日に何回か礼拝をするんだよね、とか、
なんか頭にスカーフみたいなもの巻いてるよね、とか、豚を食べちゃダメなんだよね、
表面的な知識だけでしたが、
例えばナダは、
・朝の礼拝やってたつもりで寝ぼけてて、夢の中で礼拝してるだけだったこともあったり(可愛い)
・頭に巻いてるスカーフ(正式にはスカーフではなくヒジャブ、ヒジャブの他にも形によっていろんな種類があります)
ほっぺたに寝た跡が残ってるから、今日は、髪だけ隠すヒジャブじゃなくて、目元だけが出るニカブをつけよう〜とか(マスクする女子と同じ発想ですね笑)
クソみたいな絵ですみません…
・寝癖治らないけど、ヒジャブがあるから、まあ、いっか!とか、
・基本的に人前で(男性の前)で肌を見せるのは厳禁なのですが、仲の良い女友達だけで集まるパーティの時は可愛いキャミソールドレスでいっぱいおめかししたり
・ピアスが開けられないから、ヒジャブにピアスをジャラジャラつけてみたりとか
と、私たちと同じ、等身大の女の子、という目線でムスリムの方々を見ることができて、すごくムスリムの方に親近感を持つことができました。
もちろん漫画内でも書かれてる通り、宗派によっても戒律の厳しさは違うんだと思いますが。
すごく、良い漫画だと思います。
この漫画すごい!2018 オンナ編第3位にもなっていました。
Amazonなどでも販売してますが、
公式のウェブサイトで無料配信もやってますので(2019.7時点)、気楽に読める漫画なので、よければ見てみてくださいね!(私は単行本のオマケが読みたくて、電子書籍でも買いました 笑)
パレスチナやイスラエルのことは漫画内ではほとんど出てきませんが、ムスリムの暮らしを知って、親近感を持つ、興味を持つとっかかりとして、とてもオススメの漫画です。
夜と霧
- 作者:ヴィクトール・E・フランクル
- 発売日: 2002/11/06
- メディア: 単行本
フランクル氏の大ロングセラーの名作ですね。
ユダヤ人の精神科医師が、アウシュビッツ等の強制収容所での生活を書かれたものです。
イスラムやユダヤ文化に興味がない人でも、読んで学びがある本だと思いますし、「どう生きていくか」「限られた状況の中で我々は何を選択して行動するのか」「どんなに自由を奪われても、我々の気持ち、どう生きるのかという信念や未来への希望は奪い去ることができない」と、
なにか自分の状況を窮屈に感じている人、生きることに障害を感じている人、悩みがある人、どんな人にも普遍的にお勧めできる本です。
こういった戦争や悲惨な体験談というのは、どうしても話の性質上、重くなりがちで、読んだ後、暗い気持ちになることが多く、読んだ方が良いんだろうけど、読むのが億劫、という気持ちになることが多いのですが、
夜と霧は、文章量も多くなくて読みやすく、もちろん数々の悲惨な体験は綴られているのですが、読後感は爽やかささえ感じます。
人間は追い詰められたとき、自由を奪われ、生命の危険にさらされた時、どのような行動をとるのか?
という観点で、精神科医として、収容者や自分を分析し続けていた本です。
本当に本当に良い本なので、また別にブログ記事で、フランクルの作品について、もっと詳しく紹介できればと思います。
ハイファに戻って/太陽の男たち
- 作者:カナファーニー,ガッサーン
- 発売日: 2017/06/06
- メディア: 文庫
パレスチナ文学、というジャンルの本。
そもそも、パレスチナ文学、というジャンルがあること自体初めて知りました。
ユダヤ人の方が受けていた迫害などはアンネの日記や夜と霧などで有名で、私自身も少しは知っていたのですが、パレスチナ側の人々はどうなのか?ということはあまり考えたことがありませんでした。
著者のガッサーニー氏は、パレスチナ出身で、生活の中で体験してきたことを元に小説を書かれています。
例えば、パレスチナから避難する時の様子、難民キャンプでの話や、難民の子どもたちのための学校で教えていた時のこと、パレスチナから避難した自宅に20年後戻った時の話…などの短編集です。
短編なので、比較的読みやすくはなっていますが、やはり悲惨な現実がたくさん出てきます。
形式は小説ですが、サラッと読める本というよりは、味わいながらゆっくり読むタイプの本でしょう。
小説の形になることで、一人一人の心情が真に迫ってきます。
ただ、これらの小説書かれたのが1960年代なので、今現在、直近はどうなっているのか?というのが気になったのも事実。
そこで読んだのが次の本です。
ぼくの村は壁で囲まれた
- 作者:高橋真樹(たかはし・まさき)
- 発売日: 2017/04/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
とにかく初めて知ったことのオンパレード!
良書です。
平易に書かれていますので、子どもでも読みやすいと思います。夏休みの自由研究や読書感想文の題材としても使いやすいかもしれません。
この本は、日本人ライターがパレスチナを訪問し、難民の方々などに取材をしながらまとめられた本です。
彼らの実際の暮らしぶりの一端を垣間見ることができますし、
どうして今まで、イスラエル・パレスチナが解決されていないままなのか、歴史的な観点も紐解きながら、まとめられていて、とても分かりやすいです。
歴史が苦手な私でも、この本は面白く読めました。
私にも、パレスチナの人々のために、何かできることはないかな、と考えさせられる本でした。
これは人によると思いますが、太陽の男たち/ハイファに戻っての小説よりも、こちらの本を読んでからの方がより、身近にイスラエル・パレスチナ問題を感じることができました。
今の私たちにできることはあるのか
とりあえず、といった感じですが、UNHCR公式HPから少しだけ寄付をしてみました。
月額で自動引き落としもありますが、単発で寄付することもできます。寄付というとなんだかすごくハードルが高い感じがしていたのですが、1000円単位でクレジットカードでも支払いができるので、すごく楽でした。
Amazonや楽天のネットショッピングなどで慣れている人であれば楽々ではないかな〜と思います。
なにかできることはないかな?と思っている人には簡単にできるのでおすすめです。
実際は本を読むよりも、海外ボランティアに参加してみるとか、中東地方に旅行してみる方が、より「生きた」情報が手に入るんだとは思います。
ただ、海外旅行にあまり行ったことがないこともあり、いきなり中東に行くのは難しいかな…。
ボランティアも現地で、となると、5日間以上まとめて有給休暇が取れないと難しそうですね。
でもいつか行ってみたいです!
他にも、サトコとナダの副読本、
『サトコとナダ』から考えるイスラム入門 ムスリムの生活・文化・歴史 (星海社新書)
他にも何冊か中東情勢が分かる新書系の本を数冊買ったのですが、結局読めてないままなので、読みたいですね〜。
イスラエル・パレスチナは日本から遠い国ですが、私のように少しでも親近感を感じてもらえたら嬉しいです。
また、この記事が何かあなたのお役にたてましたら、スターや感想をコメントしてくださると、とても嬉しいです。
もし、中東周辺のことについて知るのにオススメの本や旅行先、ボランティア団体などの情報がありましたらコメント等で、教えていただけますと私が喜びます(笑)
ここまでお読みくださりありがとうございました。